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 題名をクリックすると、長編は、あらすじも読めます。
 推理小説はクローズドサークルや、どんでん返しを目指して書いています。
 まだまだ未熟かもしれませんが、読んで頂けたら幸いです。
 誹謗中傷、あまりにキツイ云い方は落ち込みますのでご遠慮下さいませ。

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推理
               文学          

ストーカークラブ
六人に届いた手紙
孤島の結束
偽りの結束
お前じゃない
フェイクハント
怖い女達
怖い男達
雪に埋もれた境界線
魔念村殺人事件
憎悪の視線
友人の秘密


悪の姑シリーズ
父へ
夫へ
サヨナラじゃない
痩せたい
赤い簪
日陰
朝日が昇るのを待って
箱の中の恋人
親友 
 
     


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ホラー                  恋愛

黄色い傘                    蝉の声
心霊スポットは身近に            Parting tears
読むと後悔する物語              Parting tears ~another story~
幻の彼女                    元彼の末路
隆之
無視
土偶伝説
逃れられない罪


    

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■「親友」を書き終えて

 改めて読み返すと、やはり中途半端な終わりになっているような気がします。


 いつか、この続きを書けたら、結末はハッキリ解決したものの方がいいのかなぁと悩みながら書き終えてしまいました。


 現在、少しずつですがメインの長編推理を執筆しているのですが、相当時間がかかっております。次のUPは、おそらく来年になるかと思うので、今年、読んで下さった皆様、まずは心からありがとうございました。そして、来年も、宜しければお暇な時にでも読んで頂けたら幸いでございます。


 それでは皆様、よいお年を




■最終話

 桜が行方不明になったのは、あれから二週間後のことだった――。

「アユちゃん、ひとしの行きそうな場所知らない? こんなに連絡もなく帰って来ないなんて、海外にいる両親に知らせて心配かけるわけにはいかないし。私が付いていながら、こんなことになるなんて……」

 桜のお姉さんは、親代わりとして桜がいなくなったことに責任を感じている。両親が仕事で海外に行ったのは桜が小学生の頃で、それからは歳の離れた桜のお姉さんとお兄さんの三人暮らしだった。

 私は桜の幼なじみや共通の友人に訊いたけれど、桜の行方を知る者は一人もいなかった。そのことをお姉さんに知らせると、酷く落胆していた。

 電話を切った後、頭に過ったのはあの副業だ。もしかして、桜は施設に入ったのではないだろうか? もしそうだとしても、私にくらい連絡をくれるはずだ。
 一抹の不安を抱え、悩んだ末、私はネットで施設の場所を調べた。場所は地元からは遠いところにあり、山に囲まれた辺鄙な場所らしい。

 私はいてもたってもいられず、会社を休み車に乗り込んだ。
 片道三時間以上かかっただろうか。山中にひっそりと建つ怪しい施設。
 私は車を降りると、ゆっくりと近づき、桜を見つけることで頭は一杯だった。

 建物の一階は受付のようで、どこか無表情な女性に声をかけた。
「あ、あの。ここに桜木ひとしさんはいらっしゃいますか?」
「ご家族の面会ですね?」
 私は家族ではないけれど、家族以外の者だと云えば、会わせてくれないような気がして慌てて頷いた。
 すると女性はパソコンにデータがあるのだろう、何やら調べてから云った。
「桜木ひとしさんは、先週、会員自体を辞めていらっしゃいますね」
 桜はこの施設にいない……私の思考は停止した。
「あの、ご家族の方ですよね」
 受付の女性は訝し気に眉をしかめている。
「は、はい。家にも帰って来ないし、全然連絡つかないので、ここに伺いました。会員を辞める時、何か云ってませんでしたか?」
「さぁ、私は存じませんが、データによりますと先週退会されてるということしか」

 桜はここを退会して何処へ行ったのだろうか。『一緒に暮らそう』桜が口癖のように云っていた言葉が、私の頭の中で何度も繰り返す。

 桜がいなくなり、私は自分の半分が消えたようで、喪失感が溢れた――。けれども、生きてさえいれば、いつか必ずまた桜に会える日が来る、そう信じて生きて行こうと思う。




■第九話

 桜とはずっと出逢った頃と変わらずにいられると思っていた。

 大学を卒業し、私も桜も社会人としてお互いに忙しい毎日を過ごしていた頃、
「もしもしアユ? お前に話したいことがあるんだ。今夜空いてるか?」
 昼休みに桜から電話があり、どこか改まった云い方に、妙な胸騒ぎを覚えた。
「どうしたの? 何だか改まった云い方して。今夜なら空いてるけれど、話って何?」
「あぁ、それは会ってから話すよ」
 やはり桜の様子はいつもと違う気がする。話って一体何だろう。

 地元の駅で待ち合わせをした。
「おう、こっちこっち」桜の方が先に気付き、私に声をかけた。
「話って何?」
 私は胸騒ぎしながら眉をひそめた。
「とりあえず、いつもの店行ってからな」
 いつもの店とは高校生の頃から二人で行っていたカフェで、駅から近い場所にある。

「それで話って?」
 カフェに着き、桜と向かい合った途端、私は訊いた。
「あぁ、前からアユに云ってきたことだけれど、俺はお前と暮らしたい。話はそれだけじゃないんだが……」
 そこで桜は一呼吸を置いてから続けた。
「実は、会社の同僚から誘われて、一気に金持ちになれる副業を見つけたんだ」
 副業の話を聞いたところ、どうやらねずみ講のようなもので、最初に三十万を払い、人を紹介すればするほど自分に利益があるというものだった。そして、その施設に入居するとランクが上がり、利益の額も増えるというものらしい。
「そんなの詐欺じゃない。止めた方がいいよ」
「何云ってんだよ。詐欺じゃね~よ。俺とお前が一緒に暮らせるし、金も一杯入るんだぜ。こんな良い話はなかなかないよ。実は、もう俺は入会したんだ。だからお前にも入会して欲しい」
 桜の目は、私が今まで見てきた桜の目とは違う気がした。いくら私が止めても、一緒に説明会だけでも行ってくれと譲らない。桜の目を覚ますためにも、一度説明会とやらに行くことを決めた。

 一週間後、桜と待ち合わせをして、説明会の会場に行った。
 やはり私が思った通り、ねずみ講の一種で、マインドコントロールをするような言葉が飛びかう。そして契約書を渡された。
 私がその場で書かずにいると、桜は必死で説得を続けた。まるで桜は何かにとりつかれたようで、私は息苦しくなった。
 立ち上がると、逃げるように会場を後にした。
「待てよ、アユ」
 私の後を追いかける桜に背を向けたまま、歩道橋に差し掛かった時、ようやく私は振り返った。
「桜、目を覚ましてよ。あんなの詐欺じゃない」
「どうして解ってくれないんだよ。詐欺じゃね~し、お前も入会すれば、一緒に幸せになれるしゃね~か」
 桜は必死に説得を続け、私の意見を全く聞いてくれない。
 こんなにぶつかったのは初めてだった。急に桜が遠くに行ってしまった気がする。
 私は涙を堪えきれず、ぽろぽろ泣いた。
 桜は黙って私を強く抱きしめてくれたけれど、こんなに近くにいるのに遠く感じ、涙が止まらなかった。





■第八話

「桜」
 名前を呼びながら病室の扉を開けると、ベッドに片足を固定させ、驚いた顔の桜がいる。
「アユ、どうしたんだ、そんなに息切らして」
 どうやら桜は足を骨折し、命に別状はない様子だった。
 私は一気に力が抜けて、へなへなと座り込む。
「どうしたのじゃないよ。心配したんだから。でも良かった。命に別状なさそうで」
 桜は花が咲いたように笑顔になり私を見る。
「ありがとうな。骨折で済んだよ。入院なんてしたくね~けど、複雑骨折らしいからさ」
 その時、桜のお姉さんが入ってきた。
「あらっ、アユちゃん早いわね。私が桜の事故を連絡した時、最後まで聞かないで電話切るんだもの。それから急いで来てくれたのね。ありがとう」
 それを聞いた私は何だか恥ずかしくなったけれど、桜は嬉しそうに笑った。
「そうだったのか。ありがとうなアユ」

 それから桜のお見舞いは毎日欠かさなかった。行く度に喜んでくれる桜の笑顔が何よりも嬉しい。

 桜が好きなファッション雑誌を持って行った時のこと、
「お前もここで一緒に見ようぜ」
 ベッドを指差し、桜は無邪気に笑った。
 私は桜と一緒にベッドで横になり、一つの雑誌を広げた。
「なぁ、退院したらこの服買いに行かないか?」
「一緒に買い物行くのはいいけど、桜はこっちの方が似合うよ」
「そうか? 珍しく意見が分かれたな」
 そんなふうに私と桜は顔を見合せ笑ったり、子供のようにくすぐりあってじゃれていた。
「何してるの、あなた達!!」

 突然怒鳴り声が聞こえ、私と桜は慌てて振り返ると、看護師さんが鬼のような顔をして仁王立ちしていた。

「すみません」といいながら、私がベッドから降りると、看護師さんは「全く最近の若い子はハレンチなんだから」と呟き病室を出て行った。

「もしかして、勘違いされたのか? 俺とお前がエッチなことしてると思ってさ」
 桜は笑いを堪えたような顔をしている。
「嫌だ~。誤解なのに」しかめっ面をした私を見て桜は笑い声をあげた。
「俺だって嫌だよ。そんなふうに思われたまま、退院するまであの看護師さんと顔合わすんだぜ。そうだ、屋上行かないか? 今行けば夕陽が見えるよ」

 頷いた私は桜が車椅子に乗るのを手伝い、後ろから押して歩いた。
 エレベーターで屋上まで行くと、夕陽が眩しく町並みはオレンジ色に包まれていた。
「何だか夕陽って寂しい。今日が終わっちゃうんだなぁって思うから」
 私はぼんやりと思ったことを口にした。
「明日は今日の続きだから終わることはね~よ」
 桜はオレンジ色に染まる町並みをじっと見ている。
 私の中で『明日は今日の続きだから終わることはね~よ』という桜の言葉がいつまでも繰り返していた。



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